中小企業において福利厚生の充実は課題であり続けている。規模や支払い能力の問題、また必要性からして大企業とはかなり条件が異なると言える。しかし、高齢従業員を多く抱える中小企業において適切な労働環境の整備、福利厚生の充実は大きな意味を持っている。少ない福祉資源を退職後生活まで視野に入れることは困難を伴う。その場合、福利厚生の整備計画としての生涯福祉ビジョンの策定は、生産性向上と連動した「自ら創り上げていく福祉」と位置づけて取り組む必要がある点を指摘した(中小企業の企業福祉(6))。
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