近年における異常気象の原因が「人間の活動」によるものであることは明らかである。アメリカのアル・ゴア元副大統領が世に問うた「不都合な真実」は、それら科学的データによって裏付けした作品であり、近い未来に発生するだろうと指摘した事態が今、現実のものとして起こっている。手を打つべきことをしなった報いを人類は受けることになっている。すなわち、我々は「取り戻すことができないもの」を手放し続けていると指摘した。今日、わが国の政治経済の動向の中で進められている雇用の流動化問題もまた「取り戻すことができないもの」を手放し続ける結果を生み出そうとしているのではないか、そうした状況と問題提起を論じた。
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