外国人労働者と福利厚生(7)バブル経済崩壊後、長引く不況の中で次第に景気に明るさが見え始めてきたかと思われていたところでのリーマンショックは、群馬県大泉町や太田市の外国人労働者家庭の生活を直撃することとなった。工場での仕事が少なくなってきても、日本での生活に溶け込んだ家族の生活をブラジルなどの母国にすぐに移せるわけではない。ましてや日本で育った子どもたちは日本での教育を受け、日本語を話し、将来に向けて期待を持っている。しかし、減少してきた収入の中で教育費に投じる資金はなく、進学費用を払いたくても払えない現実が外国人労働者の家庭に生じてきた。直接採用ではなく、派遣の立場では企業からの教育融資を受けることはできない現実を論じた。
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