群馬県大泉町にある工場群には朝になると沢山の労働者が吸い込まれていく。自家用車で工場に入っていく者もいれば、小型バスに乗せられて工場の前まで運ばれてきて降ろされる者もいる。満員の電車に乗ってきて駅で降り、工場に向かう人たちも沢山いる。そうした風景を眺めながら、彼ら彼女らは何を考えて働いているのだろうかとふとそう思う。彼らが着ている作業服は同じ形でもラインの色が違う。その色の違いによって雇用形態が識別できる。または派遣元を識別することができる。大きな工場では食堂などが利用できない工員たちもいる。色によって区別されている。外国人労働者も派遣されている。ブラジルやペルーなどからやってくる日系外国人が働く町には、外国語の看板が沢山ある。以上のような「風景」を描写することで、この地での日常を切り取り、それを「普通のこと」として考えた。しかし、福利厚生でも明らかな違いを見たことをレポートした(外国人労働者と福利厚生(6))。
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