1985年9月のプラザ合意以降、長年にわたって円高が続いたことから「産業の空洞化現象」が進展してきた。その一方で核家族化に伴う「家族の空洞化現象」が進む、いわゆる「双子の空洞化現象」が本格化してきた。この2つは「非正規化社会」を推し進め、またそれによって家族の解体や家族が生まれてこない問題、もちろんそれによる社会保障の問題へと社会問題を複雑化させる要因を次々と生み出している。その最中にあって「限定正社員」が提案されている状況に対して、それがもたらす新たな不安定とリスク、また政治不信の構造を検討した。
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