新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした世界経済へのインパクトは、想像以上に大きなものとなっている。そして2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの侵略行動は、石油や天然ガスなどのエネルギー、また様々な原材料や食料の輸出制限がもたらす物価の高騰により世界中に大きな混乱を引き起こす事態となっている。企業の現場や労働組合の取り組みでは、この急激な環境変化に対応が追いつかず、呆然と状況をうかがうしかないとする状態も続く。従来の企業活動が大幅に制限される一方で、新たな需要から業績の急激な改善が見られる企業もあるが、今後困難は多様な側面から社会経済に悪影響を及ぼしてくる可能性がある。本論文は、大きな転換期において混乱はつきものではあるものの、過去を振り返ってみれば、苦難の時には必ずその時代を乗り越えるリーダーたちの「言葉」との出会いがあった点を指摘し、今、リーダーたちに求められる言葉の重要性とそれに伴う行動力の必要性を述べた。