その他

基本情報

氏名 園田 洋一
氏名(カナ) ソノダ ヨウイチ
氏名(英語) Sonoda Yoichi
所属 総合マネジメント学部 産業福祉マネジメント学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

企業福祉の変容の中に見られるメンタルヘルス対策の課題

単著・共著の別

単著

発行又は発表の年月

202112

発表学会等の名称

共済新報 第62巻第12号(共済組合連盟)

概要

1982年2月9日に羽田空港沖合で墜落した日本航空350便は、機長が行った逆噴射操作による墜落事故として当時大きな注目を集めた。この事故以来、メンタルヘルス問題は、企業において本格的に取り組むべき喫緊の問題として認識されるようになった。本論文は、1980年代以降の企業におけるメンタルヘルス問題への取り組みの内容を取り上げ、企業に働く従業員に対する今日までの対策を分析するとともに、コロナ禍における今日の問題として、従業員は言うまでもなくその家族の「ファミリーケア」としてもメンタルヘルス問題に取り組むべき緊急性があることを論じた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、感染予防の観点から「自宅待機」や「オンライン授業」、仕事では「リモートワーク」が促進され、対面での授業や仕事などが大幅に制限されるようになってきた。そこでは、コミュニケーション不全の状態が顕著に見えられるようになり、雇用を失う、または出勤日数の減少による収入の急激な減少を背景とする生活苦も大きな問題ともなってきた。本論文は、以上のような環境下で「従業員本人」は言うまでもなく、さらに「家族」に心理的不安から生じるメンタルヘルス問題への対策が極めて重要である点を指摘した。家族に生じた体調不良が、リモートワークで働く従業員の仕事にも影響することは言うまでもなく、生産性の向上を常に大きな課題とする企業にとっては「家族をも視野に入れて」とするスタンスが重要になってきていることの重要性を述べている。今後一般化していくであろう「リモートワーク」には、この問題は多面的な可能性を持っている。従業員のみならず、「家庭」という枠組みへの配慮が社会保障はもちろん、企業経営にとっても重要な課題になることを論じた。