その他

基本情報

氏名 園田 洋一
氏名(カナ) ソノダ ヨウイチ
氏名(英語) Sonoda Yoichi
所属 総合マネジメント学部 産業福祉マネジメント学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

産業福祉の中にみた健康保険組合の役割と機能

単著・共著の別

単著

発行又は発表の年月

201707

発表学会等の名称

共済新報 第58巻第7号(共済組合連盟)

概要

社会政策における重要な施策の一つである公的医療保険制度は、わが国における「歴史的産物」として今日に至り、その役割は今や国民生活にとって必要不可欠なものとなっている。特にドイツにおける疾病金庫を範とした「健康保険組合」の機能と役割は、多くの課題を指摘されてはいるものの、産業福祉の中で「重要な位置づけ」にあると言える。本稿では、この健康保険組合の役割と機能について、特に1970年代からの議論を取り上げ、職域での企業福祉や労働者福祉が活発化するなかでの「役割分担論」について現場での実態を論じた。健康保険組合が、医療保険制度の中核を担う組織の一つであることは言うまでもないが、いわゆる「小集団保険組織」であるがゆえの特徴を生かし、民間企業を母体とした「経営主体としての感覚を持った公的保険制度」におけるマネジメント能力に注目している。本稿は、以上のような側面から企業という営利組織を母体にする公的制度運営の「可能性と限界」を論じているが、今日、医療保険制度改革が行われるたびに健康保険組合の機能低下が指摘され、特に拠出金などの保険給付以外の支出が経営努力の実りを奪うものともなっている「古くて新しい問題」に接近した。企業経営者による「健康保険組合不要論」は以前より強く主張されてきたが、一方ではIT分野などを中心とした新産業領域での「健康保険組合新設」の動きもあり、「可能性」に改めて着目する動きにも目を向けて論じた。