その他

基本情報

氏名 園田 洋一
氏名(カナ) ソノダ ヨウイチ
氏名(英語) Sonoda Yoichi
所属 総合マネジメント学部 産業福祉マネジメント学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

「中小企業の福利厚生を考える」

単著・共著の別

単著

発行又は発表の年月

201605

発表学会等の名称

労働開発研究会『労働と経済』№1602

概要

賃金格差と同様に大企業と中小企業との間には「福利厚生格差」も存在する。特に中小企業では「賃上げもままならない中で福利厚生の充実は困難である」との意識が大半を占める。中小企業が大企業並みの福利厚生を行うことは支払い能力の点からして困難であることはいうまでもないが、そもそもその「必要性」はどうなのだろうか。本稿の問題意識はそこにある。中小企業は中小企業なりの必要性と支払い能力の範囲内で行わざるを得ない点を改めて確認し、しかし、その実現を最初から諦めるのではなく、従業員のニーズを聞き取り、それをいかなる方法で実現させるかの創意工夫が多くの企業で取り組まれていることを論じている。そこで中小企業における福利厚生推進の留意点を述べつつ、それを従業員自身にも「会費」という形で費用負担を求めて行われている事実を事例としてあげ、企業負担に加えて従業員にも多少の負担を求めて行う方法を例示した。中小企業の福利厚生を検討する場合、基本的に「スケールメリットが出ない」ことに問題があるが、全国中小企業勤労者福祉共済センターの存在や民間の福利厚生アウトソーシング会社の増加が多彩なメニューを中小企業にも提供するようになり、その活用とともに自社内での創意工夫で従業員生活を多少なりとも豊かにし、また職場における仲間意識の喚起に繋がる可能性を指摘した。そこには「共同化」という理念とシステムが有効に機能しているのであり、その原点が仲間意識をも培う点を指摘した。
pp.38-39