本稿は、先般大きな話題となったインターネット上の動画をめぐる問題に着目した。話題になった動画はその再生回数が爆発的なものとなり、マスコミにも数多く取り上げられた。問題はその後に動画に対抗するかのようにマスコミを通じて報道された様々な内容のニュースであり、そこに「タイミング的違和感」を覚える国民、論者の反応である。その違和感は結論からすればマスコミへの信頼を揺るがせるものであり、さらに問題点から目をそらす目的をもった行為だと感じ取った感覚だと思われる。一般に「不健全なもの」への異議申し立てを庶民は様々な方法で行う。その嫌な時代の臭いを嗅ぎつけている人々の社会感覚を論じた。
pp.43-44