「急がれる自然災害に対する組織的対策」

労働開発研究会 『労働と経済』 №1591

本稿は、2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、わが国での火山活動の活発化や地震が頻繁に発生している状況に着目し、この問題を含む自然災害に対する組織的対策が急がれるべきことを論じている。ほぼ毎年のように発生している自然災害の内容は、地球温暖化の影響を受けている天候不順と同時に、地球そのものが大きな変動期を迎えていることから深刻に受け止めるべき課題として指摘した。特に都市圏における自然災害での被害は甚大なるものとして想定されており、企業のレベルでの問題として阪神・淡路大震災の時の企業対策について事例を検証した。「国民の生命と財産を守る」という言葉が流行り言葉のように軽く使われているが、実際に機能したのは現場での地域住民、企業や労働組合などとの連携的助け合いであったことを鑑み、労使における喫緊の課題として自然災害対策を真剣に検討すべきことを提案している。
pp.42-43