本稿は、今後の成長産業とされるITや医療・介護などの人手不足問題を取り上げ、グローバル経済化や情報通信技術などの新たな環境変化の中では女性の社会進出がさらに進むことに着目した。その場合、少なくともこれまで以上に働く者への「配慮」が必要であり、労働組合が企業に対して基本的労働条件はもとより、企業福祉の向上にも新たな知恵をもって取り組むことが必要になるのではないかという問題提起をした。人は単なる「労働力」ではなく、労働力保全という意味合いからではない「人」への配慮である。企業福祉に対しては様々な議論もあるが、働きやすさを実現するために労働組合及び企業の知恵をもって「配慮」を紡ぎ出すべき時を迎えていることを論じた。
pp.42-43