本稿は、筆者が授業で学生たちにものの見方を考えさせる際に使う方法の1つとして、マクロ・ミクロ思考の重要さを説くと同時に「現場」への実態調査の必要性を問題提起するところから議論を始めている。我々が「当たり前」と思い込んでいる事柄が現場では別の認識のされ方をしているほか、そこには不文律のルールなどがあることを含め、「中間的空間」に現象する出来事を我々は自らの身体を通じて「見えるもの」や「感じること」のみにより判断しているため、この点を捉えてそこで「見えないもの」や「感じられないこと」への想像力が課題になることをあげ、問題点を指摘している。この問題を克服するために「現場」に直接聞きに行くことが必要であり、それによって実態を知れば知るほど「判断」が明確になっていき、そこで行動も変わることの面白さを検討した。
pp.32-34