「仕方ない」という言葉を口にする国民の諦めムードには極めて危険な空気が漂う。本稿は、近年の政治に対する不信感の構造を明らかにするとともに、今日的な空気の危うさとそれによって貴重な未来が奪われることになるかもしれないという危機感を将来を担う若者たちももつべきであり、その中でどこに注意を払うべきかを論じている。少なくとも現政権は国民のニーズを積極的に汲み取ろうとはしておらず、自らの政策目標であることに邁進する片手間に景気対策を進めている側面を取り上げ、政治が本来取り組むべき課題を指摘した。少なくとも「傍観者」であることは許されないという問題提起をしたものである。
pp.38-41