わが国における人口の高齢化進展速度は極めて速い。政府は介護問題への対応として施設介護から在宅介護への方針を明らかにしているが、いずれにしても介護を担う人材の不足が大きな課題となっている。介護問題の解決策の1つとしてあげられているのが外国人労働者の活用であるが、それをどうとらえるべきだろうか。「重労働の割には低賃金」という現実から若者からはあまり良いイメージを持たれていない。外国人労働者問題は、いくつかの国々との間でサービス貿易協定の関係から看護や介護の分野で認められてきているが、外国人にとって難関な試験が課されることによって増加が予想を下回る結果となっている。しかし問題は、採用側が外国人労働者を活用する考え方の中に「重労働や低賃金でも我慢してくれる」と思っている節がある点ではないだろうか。その点への懸念を指摘した。
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