1980年代から急速に進展した情報通信技術は、人、モノ、カネ、情報・技術といった経営資源の動きを世界的次元で劇的に変化させた。特に瞬時に世界を駆け巡るカネの動きは「暴走する資本主義」を生み出し、世界経済の動きを錯綜させ、瞬間的に貧富の格差を拡大するきっかけを創り上げていく。本稿は、情報を握る者とそうでない者との間における大きな格差の問題を取り上げつつ、その中での経済問題が我々働く者の労働環境、また生活環境を急激に変えていくことを理解した上でどこに視点を置いて日常的な取り組みをすべきか、労働組合の視点をどこに置くべきかを論じた。
pp.11-12