老後生活への不安が大きくなってきている。不安は「備え」をもって解消するしかないと思われるが、その「備え」そのものが困難な時代を迎えている。従来であれば、賃金の引き上げをもって可処分所得を高め、その中で貯蓄を図ることにより老後に備えることができた。しかし、問題は簡単ではない。本稿は、老後に生じるであろう問題を取り上げ、自助努力のみでは解決が不可能な現実が数多くあることを指摘する。またそれ以前に、勤労生活中において「悠悠自適に暮らせること」の重要性を指摘する。では、そのために何をどうするか。問題提起をした。
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