労働組合の組織率の低下がいよいよ顕著となってきた。バブル経済崩壊後、各企業が従業員の削減を推し進めてきた。また生産拠点を海外に移してきたことや生き残りをかけた経営の多角化によって子会社を設立し、人員を転籍させる動きも顕著にみられた。重厚長大産業の衰退による組合員の減少とともに新しく生まれてくる企業がサービス分野に多いことで労働組合が組織されない点も課題とした。これはサービス経済化の一現象としてどこの国でも見られる現象であることを指摘した上で、労働組合に期待を持たなくなってきた現実を真摯に受け止める必要性を論じた。
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