「カフェテリアプランとわが国企業福祉への影響」

共文社　『労働と経済』　1106号

アメリカにおける税制システムの1つであるカフェテリアプランが注目されている。1990年代初頭から厚生省がプロジェクトを組み、企業内福利厚生に関する4つの研究会を発足させて調査研究を行い、4冊の報告書を世に送り出してきた。それは厚生省による政策的な動きであることは言うまでもないが、企業労使はそのシステムに大きな関心を寄せ、カフェテリアプランの可能性を各々に研究している。「一定枠内での予算の中で自由に制度の利用を選択する仕組み」は、コスト限界に悩み、また従業員の満足度やライフサイクルの変化からすれば意識と必要性の多様化が進む中で企業福祉も選択型が好ましいという時代的潮流が生まれつつあった。本稿は、この制度がわが国企業福祉にいかなる影響を及ぼすのかを検討したものである。
pp.6-10