国民や消費者、勤労者や従業員、もしくは組合員や被保険者など、一人の人間は様々な立場を持っている。その中に「生活者」としての視点を持ち込もうとする動きがある。その存在は、消費生活を行い、勤労生活を営み、職場と家庭の「場」において日々暮らす人々である。今日、この「生活者」としての在り方を尊重し、それをサポートしていこうとする様々な取り組みが注目されている。では、今なぜ「生活者」が注目されてきたのか。本稿は、「生活者」という言葉が生成されてきた時代的背景を論じつつ、働く者を支援する労働組合の取り組み姿勢について言及した。
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