1995年1月17日に発表された日経連の「新時代の『日本的経営』(日本経営者連盟・プロジェクト報告書)」は、これまでの日本的経営の在り方に大きく変えるものと認識された。企業福祉の分野では、日本型ポートフォリオという見方から3つのグループに区分した処遇の在り方に注目が集まり、従来の「生涯総合福祉」という在り方とともに「生活援護」という枠組みでの対応が明らかにされた。本稿では、この『グループ別福祉』の構想の背景にいかなる考え方があったのか、またそれは実務的にどのような問題を現場にもたらすことになったのかを論じた(労働福祉の世界(9))。
pp.26-28