人生80年時代を迎え、職業生活を長期的な視点から見て備える時代に入ってきた。いわゆる、「ライフプラン」と呼ばれる生涯生活設計の必要性が広く認識されるべき時代になってきたのである。本稿は、超高齢社会をすでに迎えているわが国にとって、改めてその意義を確認する目的をもって、生涯生活設計の歴史を鳥瞰しつつ、その評価、留意点について論じたものである。企業福祉は今、従業員の「自立・自助」を前面に押し出し、その認識のもとで企業福祉を再構築している。基本的な考え方としては、本人の自助努力をサポートする上で必要な現状認識と目標設定および管理を促すものだと言える。それは自ら選択し、努力し、その責任を負うことを前提に組み立てられた支援策を効率的に運用するために必要とされる。ここでは、その構造とそれがもたらす意義を中心に論じている(企業福祉は今(6))。
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