この連載の最後となる部分として「意味探求」による従業員の企業福祉に対する認識転換を挙げた。ヒトはなぜ働くのか。生活を営む時に何を大切にするのか。自分の人生を自分で考えて設計し、企業福祉制度などを活用して職業人生、家庭生活を過ごしていくことになれば、それなりに取り組んでもらえるだろう。しかし、もう一方で重要なことは、これらの生活を営むことが自分の人生にとってどのような意味があるのか、働くことにどのような意味があるのかということを考えもらうことではないか。本稿は、一人の人間として意味ある人生を生きる従業員のモチベーションの問題を取り上げ、企業労使による単なる生活支援の枠を少し超え、「人生の意味探求への旅」に誘う在り方がその中にあってもいいのではないかと提案した(企業福祉の再構築を考える(15))。
pp.54-57