企業福祉の再構築には、企業経営側の論理、労働組合側の論理が各々の側面から発せられ、対象者である従業員、もしくは組合員に対して「一定の効果」を見込んで考えられていく。もちろん、それは提供されるい福祉の充実という意味で対象者側にとっても有り難いことではあるが、今一度、「対象者から考える」というスタンスを取って企業福祉を検討して見る必要がある点を論じた。それはマーケティングの基本中の基本であるが、「必要だろう」「調査ではこれにニーズがある」として顧客目線を取り入れずにサービスを検討することになる場合がある。企業の組織風土にもよるが、従業員の満足を基本にした再構築の意義を改めて考え、課題を見つけ出す作業が必要である点を指摘した(企業福祉の再構築を考える(14))。
pp.58-62