ノルディックウォーキング(NW)は北欧を中心に発展し、近年では中高年者への安全な運動として日本でも普及しつつあるスポーツである。NWはポールを使って歩くことから、下肢への負担が少なく、エネルギー代謝系へも良い影響を与える安全なスポーツであると報告されている。しかし、下肢運動器疾患の患者へのNWを勧める報告や提案がある中、近年、下肢への負担の軽減に関しては、低下するという報告と、変わらないという報告が混在している。これは、先行研究において、接地期の平均やモーメントでの比較、また、歩行速度の規定が無かったり、靴を装着しての計測による事などが考えられ、歩行との詳細な比較を行った研究はなく、今回の計測では歩行速度を規定し、床反力の成分をフェーズごとに抽出、分析することで、より詳細な検討を行う事を目的とした。NWはウォーキング(NP)に比較し、踵接地期(HC)時の床反力が大きく、立脚中期(MS)時は逆に低かった。
佐藤啓壮、黒木薫、齋木しゅう子、永富良一