平衡機能を評価する方法は、ファンクショナルリーチなどの機能的検査法が用いられている。また、計測機器を使用した評価ではロンベルグ肢位を用いた足圧中心(COP)での開眼位、閉眼位での評価が良く用いられ、平衡機能の基本である静的な立位状態を詳細に分析するスタシオロジーとして多くの先行研究が存在する。これは、静的立位肢位から、動的な各種問題や傾向を安全に予測する手法として利用されている。これらの背景から、近年、COPに関して非線形解析なども行われるようになり、従来の解析手法からさらに発展した見解が報告されている。今回、時系列で周波数の変化を見ることが出来る連続ウェーブレット変換の手法を用いて、COP変位を減らすために行われる、身体の立位平衡維持戦略の特徴を若年者と活動的な高齢者とで比較し、高齢者の平衡機能について検討し、これらの解析手法におけるウェーブレット変換の可能性を報告。
佐藤啓壮、黒木薫、齋木しゅう子