高齢者虐待には、家庭内の虐待と施設・事業所等における虐待があり、いずれも相談・通報件数は上昇し続けている。種別では身体的虐待が多く、心理的虐待が次いでいる。被虐待者は高齢の女性で自立度が低く、認知症の人が多い傾向がある。家庭内虐待では、息子や夫といった男性介護者による虐待が多く、下人は介護疲れやストレス、経済的困窮など多岐にわたる。今後は養護者に対する心理教育を含めた支援が必要である。また施設等における虐待では、認知症に関する適切や教育や組織全体としての取り組みが必要になる。
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