認知症高齢者を介護する家族自身の介護生活中における高齢者虐待の蓋然性自覚を属性および性別ごとに明らかにしたうえで、その支援方法について検討した。介護家族に対して質問紙調査819人の自由記述をテキストマイニング手法でカテゴリーを生成し、コレスポンデンス分析にて虐待の蓋然性自覚の生起要因について続柄、性別の特徴を明らかにした。夫婦間介護では将来的不安によって介護放棄の蓋然性を自覚すること、娘が母親を介護する場合は父親に比べて蓋然性が高いこと、息子では被介護者の性別によって生起要因が異なることなどが明らかになった。
pp.383-396
矢吹知之.吉川悠貴.阿部哲也.加藤伸司.