「Ephesis考」
裁判関係の文脈に現われた「エペシス」という語は、「上訴」を意味する場合、「当事者の意思に拠らない、法の規定に基く上級の裁判所への審理の移管」を意味する場合などがあるが、ドイツの研究者ルッシェンブッシュはその意味を詳細に分類している。私は、彼の「エペシス」の事例のリストには4つの互いに異なる概念が含まれていると考える。彼のようにそれらを「エペシス」という1つの概念で括るのは無理があり、4つを別概念として分けた方が整理しやすいであろう。総p.212 pp.127-142
『東北福祉大学研究紀要』第28巻