学会発表「『アテナイ人の国制』第9章第1節のephesisの意味-ソロンによる民衆裁判所創設説に対する再検討の手がかりとして-」
日本西洋古典学会第54回大会 千葉大学
前6世紀初頭のアテネの改革者ソロンが民衆裁判所を創設したことを伝える、アリストテレス『アテナイ人の国制』第9章第1節に現われるephesisを「上訴」を意味すると考えた。そして、そう捉えると、アリストテレスが抱いている民衆裁判所の発展史の構想が成り立たなくなることを示し、当該史料の信頼性を疑問視した。