本稿は「税方式か社会保険方式か」という公的年金改革論議が、年金改革を類型化した場合、どのように位置づけられるのか、そして年金財源確保方式の在り方の視点は、公的年金改革にとってどのような意味を持つのかについて考察した。税方式あるいは社会保険方式は年金財源の政策手段(調達方法)であり、公的年金の目的(政策目標)を実現させる手段・方法である。しかし、公的年金の改革をパラダイマティックな改革に位置づけるには、リスクの特性を理解し年金制度の目的や守備範囲、役割(政策目標)の設定が前提となる。
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