「公的年金と雇用政策―支給開始年齢の引き上げをめぐる諸問題―」
本稿では公的年金改革と雇用政策の関係を、年金の支給開始年齢の引き上げを通して検討した。年金財政の危機感から出発した年金支給開始年齢の引き上げは、年金改革を高齢者雇用政策の前提として位置づけることになる。年金支給開始年齢は公的年金政策と雇用政策との接点の問題でもあるが、年金財政の視点のみならず、高齢者にとっての「働く」ことの意義と可能性の再考こそが、両政策の接点のありかたを考える際に肝要なのである。pp.191-203
東北福祉大学紀要 第17巻(通巻20号)