カンボジア王国(Kingdom of Cambodia;以下カンボジアと略す)は、2017年に高齢化政策として「国家高齢化政策2017-2030」(NATIONAL AGEING POLICY 2017-2030)が第25回閣僚評議会(Council of Ministers)によって承認された(2017.8)。中核を担うのが社会問題、退役軍人、青少年更正省(Ministry of Social Affairs, Veteran and Youth Rehabilitation,通称;社会福祉省(MoSVY))である。「国家高齢化政策2017-2030」の実現化には、積極的に社会福祉施策を促進する国家的プロジェクトは不可欠である。
本発表は、これまでに日本社会福祉学会で発表してきたカンボジアの高齢者福祉研究の継続研究として位置づけ「国家高齢化政策2017-2030」を検証する。とくに過去の研究成果から高齢者福祉制度の整備や介護職などの専門職の人材養成・育成の開発と人材確保は重要課題であると示唆してきたことを踏まえて、国家高齢化政策実現のための専門職の人材養成・育成の推進システムに焦点を当てながら考察した。