「中近世移行期の『家督』相続と二屋形制」(査読付)
中近世移行期、父子連署の書状が発給される。その背後に、いわゆる家督の相続が一気に行われるのではなく、父から叙情に権力が移行されていく期間が想定でき、その間、二頭政治が展開される。しかも、この二頭政治は連署形式の書状によって大名権力が分担・施行されるだけでなく、父と子(家督継承者)が別個の城館を拠点にする体制=二屋形制という形で進められる。この体制の典型が徳川家康・秀忠の大御所時代であるが、幕藩体制が確立するなかで解消されていくものと考えられる。P43-59
福島県史学会『福島史学研究』96