『中世南奥羽の地域諸相』
本書は南東北の太平洋岸を中心に山形県南域を加えた南奥羽の中世社会の歴史像の一端をまとめたもの。大きく①南奥羽の地域社会②中・近世移行期の相馬氏と相双社会③南出羽の地域社会に分け、①では石川氏・標葉氏・亘理氏について、②では相馬氏を義胤を中心に、③では小田島氏と鮎貝氏・荒砥氏を基軸に、鎌倉期から近世初頭にかけての実像を追求し、併せて東日本大震災後の被災地域にとってその歴史がアイディンティティの拠り所として極めて大切であることを追求した(総頁423)。
汲古書院