車いすに乗車させると涙を流し、苦痛表情や全身の伸展性の高緊張、頻回な痰出を示す症例を担当した。本症例は高次脳機能障害や気管切開の影響で具体的な意思表出が難しかった。問題を解決するため、車いす座面・背面の圧力マッピングを通した介入を行った。圧力分布に応じた段階的な車いす形状変更によって、症例の座位時間は延長し、食事の自力摂取に至った。具体的な意思表出が困難だった本症例に対し、圧力マッピングを通じた治療介入は有効であったことを報告した。
浮田徳樹, 吉田圭介, 小野大輔, 阿部正之, 岸上博俊, 八田達夫.