脳卒中片麻痺者におけるボツリヌス(BTX-A)療法と理学療法が静的立位バランスに及ぼす影響の検証を目的とし、成人脳卒中片麻痺者10名を対象に重心動揺検査を行った。BTX-A初回投与後14日間は入院にて理学療法を行い、以降は外来での理学療法を週1回程度実施した。測定は,BTX-A初回投与前と2回目投与前(投与間日数164.7±40.30日)に重心動揺計を用いて実施した。結果、外周面積、矩形面積、単位面積軌跡長で有意な差が確認された。BTX-A療法と併用の理学療法では、特に深部感覚系姿勢制御機能の改善を目的としたプログラムを重点的に行うことで、より機能的な静的立位バランスの獲得に寄与できる可能性があることを示唆した。
小岩幹, 小野圭介, 村上拓弥, 佐久間俊彰, 浮田徳樹, 品田慶太, 五十嵐大貴, 阿部正之, 金藤公人, 井出渉.