「効果論研究史における限定効果論と強力効果論の関係のあり方―パーソナル・コミュニケーションの扱われ方の違いに着目して―」
マスメディアと受け手の関係について調査、分析を行っているマス・コミュニケーション効果研究は、限定効果論と強力効果論に大別できる。強力効果論は限定効果論に替わるものとしてあらわれたと、多くの研究者はみなしている。しかし本当に強力効果論は限定効果論の代替たりうる理論であるのかを検証するため、各理論が打ち立てられたときに行われた調査設計や実証調査に着目して両理論のレビューを行った。それにより両理論のパーソナル・コミュニケーションの考え方の違いを浮き彫りにし、両理論は相互補完の関係であると指摘した。
情報社会試論