論文

基本情報

氏名 三谷 聖也
氏名(カナ) ミタニ セイヤ
氏名(英語) Mitani Seiya
所属 総合福祉学部 福祉心理学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

題名

スケーリング・クエスチョンとその深化 : 「数」による査定から「点」と「線」のデザインへ

単著・共著の別

単著

概要

本研究は,ソリューション・フォーカスト・アプローチの一技法であるスケーリング・クエスチョンの治療機序を解明すべく,既出の仮想事例を再考察したものである。先行研究では「数による査定」「言語による行動拘束」という治療機序が指摘されているが,本研究ではスケーリングの「スケール」の側面および「スケール」から数値を捨象した「点」「線」という構成要素との関係から検討する。方法はスケーリング・クエスチョンが用いられている二事例の面接過程の一部を抽出し,心理臨床および点と線のデザインの観点から考察を加える。点と線に関する考察は抽象絵画の提唱者であるヴァシリー・カンディンスキーの絵画理論に依拠している。事例の考察では,スケーリング・クエスチョンは,例外の探索というプロセスに先んじて,点と線との関係をめぐる対話からクライエントの「再定位」がもたらされることが示唆された。この「再定位」の感覚はソリューション・フォーカスト・アプローチの一技法に留まらず,心理臨床全般における普遍的な要素であることが示された。

発表雑誌等の名称

東北福祉大学研究紀要 46

発行又は発表の年月

202203