「ターミナルケアとしての短期療法―「抵抗を生かす」アプローチを用いて―」(査読付)
本稿は緩和ケア領域におけるブリーフセラピーに関する事例論文である。家族と患者の両方に時間差で合いながら家族の支援がなされている。医療の常識に合わない患者や家族の訴えである「抵抗」について、その意味を考え、それを治療的に生かす手法が紹介されている。家族は第二の患者という医療現場の言説にとらわれ過ぎずに家族の患者性だけでなく家族の支援者性にも着目すべきことや、患者を通しての家族支援、家族を通しての患者支援という柔軟な支援モデルが提案されている。pp.99-111
北樹出版 『Interactional MindⅡ』