本研究は,糖尿病を合併している統合失調症患者が実行可能な糖尿病自己管理方法について退院前に患者と話し合い,退院後にそれを実施した際に生じる変化を明らかにし,患者が地域生活の中で血糖を安定維持し,糖尿病を悪化させることなく生活していく支援のあり方を検討することを目的とした事例研究である.研究対象者は,統合失調症に2型糖尿病を合併し,退院を予定している患者3名であった.退院前に対象者と共に個別的で実行可能な糖尿病自己管理方法を検討し,退院後外来にて2か月間面接を行い,経過を振り返りながら,血糖値および体重の変動を評価した.その結果,糖尿病の自己管理に向けた支援を行うには,安心できる関係性を作ることが大切であり,患者の知識や欲求,特徴を踏まえ楽しみながら継続できる自己管理方法を検討することが必要と考えられた.また,患者が地域生活を始めた時には試行錯誤できるように悩む患者を見守ること,患者の状態が変化するまで時間をかけて待つことが重要と考えられた.