背景
精神疾患と糖尿病を有する方は、精神症状などにより自分自身の治療に関心が向かず、糖尿病を悪化させやすい。精神疾患と糖尿病を有している方に対しては、精神疾患を持たない糖尿病を持つ方に効果的と示されている介入が、必ずしも糖尿病の検査結果に反映されるわけではないことが明らかとなっている。また、精神疾患と糖尿病を有する方に対しては、患者個人のニーズやモチベーションを維持させることが大切であり、本人自身が目標を持ち治療に意欲的に参与していく支援が必要であるが、その支援はまだ確立できていない。
目的としては、本研究の目的は、国内の精神疾患と糖尿病を有した方への糖尿病自己管理支援についての文献検討を行い、精神疾患と糖尿病を有した方への効果的な支援プログラムを作成するための基礎資料とする。
結果としては、「精神疾患」「2型糖尿病」「自己管理」では54件、「精神疾患」「2型糖尿病」「エンパワーメント」では5件が抽出され、内容を熟読し選定の要件を満たした文献は4件であった。文献の内容としては、精神疾患と糖尿病を有している方に介入したものが3件、精神疾患と糖尿病を有している方を支援する医療職者を対象としたものが1件であった。4件の文献から、精神疾患と糖尿病を有している方に行う糖尿病自己管理支援に影響を与える内容としては、
「対象者が自分の病気と向き合う支援」「対象者が自己開示できる支援」「対象者の意思決定を促し支える支援」「対象者が自己管理を継続できるように支える支援」が明らかとなった。
考察 結果より糖尿病自己管理支援に影響を与える内容としては、4つの項目が明らかとなった。これにより、精神 疾患と糖尿病を有している方への糖尿病自己管理支援プログラムを構築する際には、対象者の自己肯定感を高める支援や、本人が疾患に向き合い糖尿病自己管理を継続できるような支援が有用であると考える。