その他

基本情報

氏名 中村 恵子
氏名(カナ) ナカムラ ケイコ
氏名(英語) Nakamura Keiko
所属 総合福祉学部 福祉心理学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

日本の義務教育制度の限界点はどこにあるか

単著・共著の別

単著

発行又は発表の年月

 

発表学会等の名称

カウンセリング研究

概要

学校教育は教師と子供の両輪で成り立っています。ところが,2022年の文科省の調査では,児童生徒の不登校率・自殺率ともに過去最多を数えました。さらに子供の数は過去最少を更新し続けるのに,特別支援教育の対象児は増え続けて過去最多となり,学級内で発達障害傾向が認知される子供の割合も上昇が続いています。
 一方,教師の傷病休暇も精神疾患も過去最多,教員採用試験の倍率は下がり続け,日教組の調査によると2022年は定員未配置の学校数も過去最多となりました。O E CD国際教員指導環境調査での日本の教師の特徴は,授業や生徒への指導時間は世界の平均以下なのに仕事時間は世界最多,指導効力感と職能開発時間は他を圧倒して最下位という惨状です。
 他方,フリースクールや不登校特例校は問い合わせが殺到し,新設校が続々とオープンしています。日本の義務教育システムに瓦解が起きているとしか思われません。
私たちは,この危機をどのように読み解き,対処すればよいのでしょうか。本稿では,現在の日本の義務教育が直面している未曾有の危機に潜伏する課題と対策について検討します。