本研究の目的は、精神障害者が就労を決意してから職場定着に至る心理的プロセスとその促進および阻害要因を抽出することである。
1年以上就労が継続している精神障害者4名の研究協力を得て半構造化面接を行い、グランデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。阻害要因は、就労に際し、職場の期待に応えたいと願うあまり、過剰な職務期待を課している当事者自身に所在していた。それゆえに援助要請も回避され、不調に陥りがちであった。支援者は、その過剰期待や評価懸念の高さを理解し、踏み込んだコミュニケーションを心がけることが求められるだろう。 P.28 吉田展泰・中村恵子・佐藤俊人
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吉田展泰・中村恵子・佐藤俊人