うつ症状を伴う不登校生徒6名を対象にした別室登校で、対人関係ゲームを導入した。カードゲームを通して,別室登校の生徒ならびに支援の教諭,SCによる相互に支え合う集団システムが形成された。このことが,別室登校とそこでの学習活動を促進した。また,集団システムの支えで,以前にいじめの道具として使われたカードゲームをしながら,人権侵害された情動体験を相互に語り合い,辛い体験を受け止め合った。この相互エクスポージャーが脅威を克服する力を促進し,三名のうつ症状が寛解した。さらに,教科担任の誘いで全員が教室に部分復帰し,相互に支え合いながら残りの中学生活を送り,高校進学を果たした。
対人関係ゲームを使って別室に作られた集団システムに支えられ,生徒たちは建設的な活動を始めたと考えられる。
中村恵子田上不二夫