対人関係ゲームの体験を通し、教師の教育観変容が促進された事例研究である。
学力重視の教師が、学力の低い高校での役割葛藤から生徒への攻撃と責任転嫁傾向にあった。教育相談係として生徒の人間関係形成プログラムをする役割を担い、対人関係ゲームを学んだ。当初は子どもじみた内容に嫌悪したが、講師のサポートで人と助け合って活動する心地よさを体験し、指導が上意下達から生徒とともにあろうとする活動に変化した。生徒との関係に所在していた緊張も解消されて親和的関係がつくられた。
P.146
中村恵子・北原恵美・田上不二夫