筑波大学大学院カウンセリング専攻卒業生を執筆者に、カウンセリング理論を体系化した。筆者担当は第2巻第3章「学級づくりを促進する対人関係ゲーム」である。遊びを通して役割形成を学んだ学級集団事例から集団援助技法として田上不二夫が理論化した「対人関係ゲーム」の理論的背景と臨床的展開を論じた。
第1節は、定義、目的、プログラムの組み方など対人関係ゲームの理論的構造を明示した。
第2節は、理論化のプロセスをたどり、対人関係ゲームを支える理論的枠組みを解説した。
第3節では臨床的活用方法を紹介する。開発的および問題解決的適用については、具体的な学級集団のアセスメントと対人関係ゲームを用いた介入戦略を解説し、その効果を検討した。
石隈利紀・藤生英行・田中輝美編 渡部純夫、河村茂雄他12名共著