世の中でその必要性を喧伝されている「こころのケア」「カウンセリング」「精神療法」などは、言葉だけが独り歩きしており、実際の「営み」として何が為されているのか十分に吟味・検討・周知が為されないまま、臨床精神医学や教育の「現場」においては次第に形骸化し顧みられなくなっている。こうした中で、限られた医療の枠組みでも「精神療法」を実践していくことの意味について研究を重ねている。