高齢化による老年人口の増加、少子化による生産年齢人口の減少により、医療・介護の受け手は増えるが、担い手は減少していく実態がある。医療全体として、担当職種の見直しを図ることが重要とされ、看護業務のシフト先として介護系資格保有者を看護補助者として採用する病院が散見される。本稿では、介護系資格を保有する看護補助者へのタスク・シフト／シェアに関する論文を探索的にレビューした。看護補助者の担う業務を明らかにすることで、タスク・シフト／シェアを段階的に進めるための基礎資料とすることを目的としている。結果・考察:病院で働く介護系資格保有者はすでに多くの直接ケアを担い、一定の評価を得ていた。看護補助者へのタスク・シフト／シェアに関しては診療報酬改定を背景に推進されており、近年は急性期医療の中で看護補助者の活用が推進されている。急性期医療の中で介護系資格を保有する看護補助者の活用を推進していく場合、安全性の確保が必須である。現在療養型の医療施設で実施されている看護補助者の業務内容を基に、看護補助者自身の意見を重視したタスク・シフト／シェアの基準整備が必要となる。加えて、看護補助者の安定した雇用と育成のためには、段階を踏んだ長期的視野を持った教育システムの構築が必要であると考える。
