我が国同様に都市化が進行するイギリスとりわけロンドン市内の保育実践に焦点化し、保育カリキュラムと実践の整合性を探りながら、ウェルビーイングの視点から健康教育および身体活動の動向や内容について明らかにすることを目的とした。
本調査にて訪問したイギリスでは、1歳から4歳児に対して180分以上の身体活動が推奨されており、自転車プロジェクトや砂場を活用したサイエンス活動、菜園での収穫や買い物の活動など、日常的な保育活動や生活場面においても身体活動が意識され、横断的に健康教育が展開されていた。また、3園に共通して園庭を活用した屋外での保育が積極的に行われ、園庭の一角にフォレストスクールのスペースが設置されることで、動植物との触れ合いが促されると同時に身体活動時間の保証にも貢献されていた。都市部だからこそ意図的に園庭環境を工夫することで、幼児の身体活動量およびウェルビーイングを相乗的に高めることができることが示唆された。また、このフォレストスクールアプローチは、近隣の小学校でも確認することができ、都市化が進むロンドンにおいて、自然との関わりや繋がりの重要性が再認識されていることも推測される。これらの実践は、日本の保育現場における健康教育・ウェルビーイングの具現化や構築に有意義な示唆を与えるもので、横断的に身体活動を捉える視点や屋外空間の見直しなど、日本の保育実践への応用を検討する上で参考にすべき事例と考えられる。